2020年12月15日、東京大学 水圏生物科学専攻の大学院生を対象とした、「水圏生物科学特別講義」にて講師を務めました。
講義内容は『サイエンスを伝えるための文章の基礎』。
学位論文執筆を控えた学生さんたち向けに、文章の基本的な仕組みや文章によるコミュニケーションについてお話しさせていただきました。
リモートでの講義でしたが、皆さん非常に熱心で、90分間集中を途切らせることなく聞いていただけたと思います。
研究室に所属した学部生・大学院生は、初めて経験する「論文執筆」という壁に少なからず苦しむことになります。
もちろん、経験の無いことにチャレンジするわけですから、はじめは四苦八苦するのも当然です。
しかし、「体系的に文章の書き方を教えてくれる授業がない」という現状もまた、研究者の卵たちを苦めていることは確かです。
また、体系的な知識がないまま指導する立場になってしまい、学生に対して的確なアドバイスをしかねている大学教員・研究者の方も多いのではないでしょうか。
欧米では、このような状況を打破しようと、ライティングのプロを招いて研究者向けに講義を行う大学もあるようです。
ただでさえ、「英語」というハンディキャップを負っている私たち日本人が、ライティング技術でも遅れをとってしまうと、研究を発表する機会がますます限られていってしまうかもしれません。
今回の私の講義を聞いていただいた学生さんたちに感想を聞いてみると、非常に新鮮な内容だったようです。
日本の研究力向上にわずかでも役に立ったら良いなと思います。