翻訳書籍が出版されました

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『ネイティブが教える英語論文・グラント獲得・アウトリーチ 成功の戦略と文章術』
(原題:The Biomedical Writer; What you need to succeed in academic medicine)

翻訳した書籍が出版されました。

研究者向けの教科書を数多く出版されてきた羊土社さんから発売されたこの本は、これまでのいわゆる「論文の書き方のガイドブック」とは一線を画する、まったく新しいライティング指南書です。

学部や大学院では、誰かが体系的にライティングを教えてくれることなどほとんどないにも関わらず、研究室に入ったら急に「論文を書きなさい」と言われ、戸惑ってしまう学生・研究者が多いのが現状ではないでしょうか。

論文やグラント申請書について豊富な執筆経験を持つ2人の著者によれば、アメリカでもこのような現状に変わりはなく、多くの研究者がライティングで苦労しているようです。

この本の特徴は、「論文や申請書がどうすればアクセプトされるか」という点に徹底してフォーカスしたところです。

「こんな書き方をしたら、論文のレフェリーはどんな印象を抱くのか?」

「忙しいグラント評価者に研究内容をしっかり理解してもらうには、どのような書き方をすれば良いか?」

このような疑問に、明瞭な答えを返してくれる先輩研究者はおらず、文章の上手・下手は個人的なセンスによるものが大きい、と考えている人も多いかもしれません。

しかし、本書の著者は、ライティングは個人的センスに頼った「芸術」ではなく、体系的に磨き上げていける「スキル」であると断言しています。

本書では、人間が文章を読むときの神経学的・心理学的反応に関するエビデンスを引用しながら、読みやすく、かつ読み手の印象に残りやすい文章とはどのようなものか解説しています。

人間が文章を理解する際の認知的なメカニズムを知った上で文章を書くことができれば、確かに誰でも読みやすい文章が書けるはずです。

研究者としてのキャリアを築いていく上で「通貨」と言っても過言ではないほどの価値を持っているライティングスキルについて、本書は間違いなく多くの学びを与えてくれます。

この日本語版が、多くの研究者のキャリアを助けることになればと願っています。

ぜひお手にとってみてください。

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内容を一部無料公開されています。ぜひご覧ください。

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